Ⅷ 力 「セッション」タロットと映画の話


占い師のビッグブルーです。

タロットは、「人」を描写するのに適した占いです。
タロットが示す人物像を、映画になぞらえたら?というコーナー。

今回は、タロットカード「力」と、映画「セッション」。

目次

正位置


主従関係、スムーズな意思疎通、力を存分に発揮できる環境、大恋愛

力関係がはっきりしていて、従うものが上の者に一目置いている場合は、とても良い関係が築けます。

上に立つ者も従う者の信頼あってこそ、力を引き出すことができるのです。

ですので従う者もある程度、素直さや柔軟さを持っていないと成り立ちません。

親子・上司と部下・師弟関係など。
恋愛や友人関係に出たときは、力関係をお互いが納得しているうちは吉と出ます。

お互いに尊敬し合える部分があれば、精神的な繋がりを持て、大恋愛に発展する相手です。

逆位置


反抗、傲慢、頭を押さえつける、コントロール出来ない、過保護

正位置にも書きましたが、縦割りの関係とは、お互いのポジションを納得しているからこそ成り立つもので、主が権力を振りかざしたり、従う者が反抗心を持ったり、侮ったりというところから、いびつな関係となっていきます。

これは映画の中で言うと、フレッチャーの力加減が完全に裏目に出た状態です。

自分では指導している、特別に目をかけていると思っても、受け手はそうは思えません。

親子関係や恋愛では特に、過保護だと捉えられる時もあります。

愛情がすぎるあまり、それが重いと感じられてしまうと、距離を取られたり、心を閉ざされたりします。

タロットに絡めた映画のお話



よく考えてみると、この力のカードは「Strength」と書いてあるんですよね。

直訳すれば「力」と言うよりは、「強さ」。

でもライダー板の絵柄でもライオンを手名付けるのは女神であり、何か目には見えない力を感じさせるものとなっています。

映画の中のフレッチャーも然り。
強さだけでは人は従わず、この人についていくに値すると思わせる何かがあるのですが、それが本当の「力」なのかもしれません。

生徒の出生をいじり、家庭環境や外見をネタにするフレッチャーのパワハラ加減は、見ていて本当に嫌な気分になります。

昔はこういう人が本当にたくさんいたんですよね(遠い目)。

以前の教え子の死に涙を流す様子と、後で実はその原因がフレッチャーにあったことの露呈。
一体この人の真の姿はどんななのかと思わせます。

そして、アンドリューの告発を知っていたことがわかったとき、もう終わりだと戦慄するのですが。

アンドリューが最後のセッションと腹を決め、自分のプレイを出し切る様が、まさに内から湧き出る力という感じ。

アンドリューのフレッチャーに対する憧憬が憎しみに変わり、怒りで昇華した時。
皮肉にもフレッチャーが本当に引き出したかった、才能と情熱が飛び出すんですね。

そんなことを思いながら力のカードを見ると、力(才能)とはやはり持っているだけでは荒削りなものであり、それをコントロールしてくれる人が必要なのだと感じます。

ラストの曲は、息をひそめる緊迫の時間が長いほどカタルシスが大きく、その達成感を画面の中の2人と共有しながらも。

もう少し穏やかにはできなかったのかとは思いますね笑。

余談ながら、愛情深いお父さんと支え合う姿がとても微笑ましく、アンドリューの覚醒を扉の隙間から見守る姿に、胸が温かくなりました。

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